漆は漆の木より採れる樹液を精製したものです。それに鉄や顔料などを加えられることにより、様々な色の漆が作り出されていきます。この極めてシンプルな自然塗料が9070年もの間、様々な侵食にも負けずこの世に存在し続けたということは、驚くべき耐久性を持っている事の証明であります。そして、なにより美しい。漆自体の深く、艶やかで優しい美しさは他のどの塗料にも見ることはできません。勿論一度や二度漆を塗ったぐらいではその深さや優しさを感じ取ることは困難ですが、何十回と塗りこむ、つまり手間をかければかけるほどその美しさが増してきます。以下に漆の特徴を簡単に説明をさせていただきます。



一般の塗料はその塗料自体が持つ水分(シンナー等)を無くすことにより硬化(乾燥)します。ですから必ず体積は元の状態より減ることになります。ですが漆は乾燥することにより硬化(固化)するのではなく、漆が持つ酵素が酸素と化合することにより硬化していきます。そしてその酵素化合には必ず水分が必要となります。ですから天気がいくら良くても決して漆は固まりません。ラッカーゼと呼ばれる酵素が動きやすいある一定の温度と湿度が必要になります。温度20度、湿度70%が一番活性化されるといわれていますから調度、日本の梅雨の季節が塗漆には適しています。



タバコを漆器にこすりつけても漆の塗膜には何の変化も見られません。タバコの火種は約800度〜1000度といわれますからそのぐらいの耐熱はあるといえると思います。ただ、黒漆が長時間熱水にあてられると色素(鉄分)が壊され色があせることがあります。漆のテーブルに薬缶等の痕がついたりするのがそれです。強度的には全く変化はみられません。そして様々な溶剤(シンナー、アセトン、ベンジン、アルコール、硝酸、アルカリ溶液等)にも全く影響されないとされています。



前出の通り、9070年前に制作された漆製品が発見されたのですからそれ以上のようです。但し、保管状態がよくなければならないという条件があります。



漆の唯一の弱点が紫外線です。長時間屋外に置かれ、紫外線を当てつづけると白く損傷しはがれてしまいます。ですから漆の美術品などの観賞用のものは紫外線の極力出ない照明が当てられています。屋外の看板等には不向きだといえます。


私(店主)も塗漆はいたします。但しまだまだ勉強中の身である為、依頼を頂いたときに限り、テーブル等の拭き漆や作品の修繕をさせていただいております。詳しくは店主までお問い合わせください。

屋久杉工芸品専門店「かいもん」
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